ボールト天井の家

DATA
タイプ

リノベーション

設計

ドキアーキテクツ株式会社(WEB:www.civilarchitects.jp

施工

クラフトマンスタジオ

延床面積

290.70㎡

規模

木造2階建て

所在地

東京都世田谷区

メディア

2020年 K-DESIGN AWARD 2020 winner 受賞(韓国)

—以下、建築家テキスト—

東京都世田谷区に建つ築 15 年の木造2階建ての住宅を二世帯住宅へリノベーションの計画である。
本計画では1階を子世帯、2階を親世帯とし、玄関を共有する部分共有型の2世帯プランを採用、建物を部分的に最小限に改装し、居住性の問題の解決と家族形態を豊かに更新することを試みた。改修工事の際の既存建物の制約をデザインに昇華しながら、住み継ぐ時代のデザインの形を目指す計画である。

2階は2室に別れていた空間を親世帯の LDK とし、十分な床面積と天井高を獲得する計画である。2階改修の過程で無秩序であった構造体を再構築し整え、柱を中心に展開する連続したアーチ天井を用いて、天井
裏の構造部材を隠蔽、撤去が不可能な柱はラタンを巻きテーブルと一体化させ、梁部分を照明とするなどインテリアの一部として昇華させることで、新たな空間の質へと転換した。

1階は子世帯の共用廊下の居住性の向上が目的である。通常であれば廊下にしかならない空間に、様々な用途に対応できる家具を設けて家族の多様な振る舞いに応えられるようにした。この共用廊下は洗面室や寝室へのハブとして機能する家事室であり、書斎であり、本棚、飾り棚、収納として機能する多目的スペースである。多種多様な素材や配色でできた家具は、共用ホールから子世帯への空間の切り替わりの始まりとしても、新鮮さや豊かさを与えるスイッチになっている。